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この織物の素材の糸は純準なオーガニックコットンです。その糸を青竹とマホガニーの自然染料と自然なプロセスだけで、歳月をかけ染め手織で織った横縞のバリエーションの布です。
2点の連作に深みを与えるため濃淡で仕上げました。
向かって右は石灰水の上澄み液で媒染し彩を濃くしました。
2008年大正紡績の近藤氏と出逢い、キルトの未来の話になった。大正紡績が目指しているオーガニックコットンの糸をつかってキルトを制作してみたいという、私の希望を快く引き受けてくれ、糸つくりをしてくれた。そのことにより、このオーガニックコットンのキルトが誕生した。



このキルトはジャワ島の歴史の中で培われた天然ソガ染料の先染布の彩の濃淡をキルトの表地に、裏地にはオフホワイトの彩を配し直線と大小の三角形のモチーフ、キルティングの蜜と粗のコントラストをデザインした。
この作品は対で発表したが、一点はスペンサーミュージアム オブ アート(SPENCER MUSEUM OF ART, KANSAS, U.S.A.)に永久保存された。

このキルトは青竹染めと天然ソガ染料で染めたストライプの先染布を表地に、裏地には青竹染めの先染布を配した。
青竹染めの白をベースにすることによりソガ染料の茶の彩が爽やかに感じる。

植物から彩を抽出して染めるヒントは、赤道の島々のいろいろなところにあった。たとえばマンギースを食べていて、果汁が白いシャツに赤く染めついたこと、ジャティ(チーク)の葉っぱで爪を紅色染めていたこと、日々の生活の中で出会ったその彩りが、時間の集積と共に私のホープチェストにいっぱいになった。
多彩な彩をはぎ合わせ、さまざまな形のリボンをつくり出す。そのまとめ役の基布の部分には力強い彩を重ねた。
彩は移ろってゆくもの。
移ろい──それが天然染料の魅力である。

21世紀、新しい世紀にかかる時に暗号を使い暗号のキルトを制作することを思い立った。その暗号は若い頃(1970年代初頭)カナダで出会い大変便利だと思い使っていた。そして2000年に書店で偶然にも THE CODE BOOK というイギリスの作家の本が目にとまった。かつて私が使っていた暗号が PIGPEN CODE(ピッグペンコード)であったことを知った。その暗号を使って布でどのようにキルトに表現してゆくか新しい命題に取り組み、一年後やっとその布のパターンは市松模様で出来ることを発見し、コードキルト I - II - III のキルトシリーズが生まれた。
その暗号の内容はいずれも中世の古典文学、誰もが中学生時代にふれたものの中から選び、コードキルトI『平家物語』、コードキルトII『方丈記』、コードキルトIII『枕草子』のコードキルトシリーズを制作した。
このキルトは平家物語の一節を表しています。
『祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり 
  沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらはす… 』

ピッグペンコードを用いた二作目の暗号のキルト。
このコードキルトは方丈記の冒頭の一節を表しています。

『ゆく河の流れは絶えずして しかももとの水にあらず
  よどみに浮かぶうたかたは かつ消えかつ結びて
  久しくとどまるためしなし… 』



ピッグペンコードを用いた三作目の暗号のキルト連作。このコードキルトは枕草子の冒頭の一節を表しています。

『春はあけぼの やうやう白くなりゆく山ぎは
  すこしあかりて
  むらさきだちたる雲の
  ほそくたなびきたる』

第三作目のこの作品に至った時、市松模様の布を青竹染めと墨描きとで、オリジナルの世界をつくりだした。それをもとにコードを抜き取り枕草子の冒頭部分 春、夏、秋、冬を連作で制作した。
2000年から始まったコードキルトシリーズも2007年この第三作目 枕草子で完結した。




このキルトは青竹で染めた手織のシルク布にエンボースした手漉き和紙の風合いをミシンワークで醸り出した作品である。
キルトワークとは平坦な布にテキスチャーを与える仕事でもあり、大切なことはキルティングの糸である。青竹で染めたシルクの糸をつかった。

1995年から白のキルト、青竹染めのホワイトワークに取り組んだ時の作品である。
完成してから16年の年月が経過したが透明感は変わらない。青竹で染めたキルティングの糸を使用したことで布と糸が共に熟成している事の照明でもある。

1995年から白のキルト、青竹染めのホワイトワークに取り組んだ時の初期の作品である。
部分的にキルティングを施し、ジョイントした作品。ジョイントした部分に使用したリボンテープは表地と裏布とをジョイントし作り出した。その部分はジョイントの役割とアクセントの役割を兼ねている。


青竹染めのシルクに緻密にミシンキルトを施した。
そのモチーフはエンボースに白い手漉き和紙からイメージを広げた作品。




2006年にコンピューターを使って初めてメールを送信した。その時メールキルト(MAIL QUILT)という言葉が先ず浮かんだ。その言葉の響きにインスパイヤーされ、このメールキルトの作品が生まれた。
常に作品はイメージしたものを形にするために具体的な方法論が必要になってくる。どの種類の布を使うのか、又どのような技術をつかってどう表現するのか等々解決することから始まる。私の手元には白く、淡く、光を透過するとても軽やかな布地があった。薄い透ける布を幾重にも重ね合わせれば布の重なりの枚数によって透明の度合いの明暗が生まれる。下地の布の選択によっても表情は変化する。下地にモチーフを敷き込んで、その映像をほんのりと浮かび上がらすことも出来る。
2006年にオリジナルプリント柄を48種類発表した。そのプリント柄を抜き取り透ける布の下にレイアウトしてみると、巧くまずして形がだまし絵のように変化することも楽しい。表面に使われているナイロン素材には青竹染めが施されている。そのことで作品に暖かみがます。布素材の持つ特徴を見出すことで、クリエーティブな世界が開かれる。

2006年、オリジナルプリント生地を創作した。多くの人たちに安価でしかもユニークで、センス良く、誰もが少し手を加えることにより個性的な作品に仕上がるその方法論を現実化した。キルトワークの視点からプリント柄のデザインを考え、全て手描きで自然の感覚を生かした。
このヒエログラフィック HIEROGLYPHIC QUILT「絵文字キルト」は、そのオリジナルなプリント生地を大胆に組み合わせて、絵文字を想像しながら制作したものである。

私が初めてキルトに出会ったのは、1968年から十数年暮らしたカナダでの生活。伝統的なキルトに魅了され、多くのキルトを見てゆくうちに、そこにある法則が存在していることに気づいた。
一見、複雑なデザインもよく観察すると、四角形を基本とするユニットから発展し、その四角形の積み重ねが布をはぎ合わせるステッチの原点である、と教えられた。
今、その原点に戻り、自分流の四角形を作り出してみた。 集めた布の中には大胆なモチーフの布も多い。そのような布から10cm角を抜き取ってみると、布全体で見せていた表情とは違う顔が浮かんでくる。10cm角はおよそ人の手幅。
それはヒューマンスケールであり、人に居心地のよいスケールでもある。普遍的な形には、力強さと安定感がある。

10cm角の布をボーダー上に並べ、柄のおもしろさと色彩を再構築。白の余白と柄とのバランスで、躍動的なムーブメントを表現した。